企業から内定の連絡が届くと、うれしさと同時に「すぐ返さないとまずいのでは」と焦るものです。

この記事では、内定メールへの返信を「お礼・意思表示・締め」の型に分解し、承諾・保留・辞退・お礼のみの4ケースの例文まで用意しました。

まだ入社を決めきれていなくても、そのまま送れる文面を載せています。落ち着いて読み進めてください。

内定メールへの返信はこう書く|基本型テンプレと返信タイミング

内定メール返信の基本構成6パーツと返信タイミングの目安を示した図

結論から書きます。内定メールへの返信は、6つのパーツを順番に並べるだけで形になります。

特別な言い回しや長い文章は必要ありません。承諾するか決めていない段階でも、同じ型のまま返信できます。

コピペで使える返信メールの基本構成(6パーツ)

返信メールは次の順番で組み立てます。ケースによって変わるのは④の意思表示だけです。

  1. 件名:「Re:」を付けたまま変えない
  2. 宛名:会社名・部署名・担当者名を正式名称で書く
  3. 内定のお礼:連絡をもらったことへの感謝を1文
  4. 意思表示:承諾する/検討したい/辞退する のいずれかを明確に
  5. 締めの挨拶:今後のお願いを1文
  6. 署名:大学・学部・氏名・電話番号・メールアドレス

穴埋め用のテンプレートは以下のとおりです。カッコ内を自分の状況に置き換えて使ってください。

件名:Re:【内定のご連絡】〇〇株式会社

〇〇株式会社

人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

(ここに意思表示を1〜3文で書く)

お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科

〇〇 〇〇(まるまる まるまる)

電話:000-0000-0000

メール:[email protected]

迷いやすいのは④の意思表示だけです。承諾・保留・辞退・お礼のみの4パターンの文面は、後述のケース別例文からそのまま使えます。

返信はいつまで?当日〜24時間以内が目安【筆者の経験則】

内定メールに気づいたその日のうち、遅くとも24時間以内に返すのが目安です。これは公的な統計があるわけではなく、筆者の経験則による目安として読んでください。

早く返したい理由は2つあります。ひとつは、担当者がメールを読んでもらえたかどうかを確認できることです。もうひとつは、入社手続きや面談の日程調整が返信を起点に動くことです。

送信する時間帯は、平日の営業時間内(おおむね9時〜18時)が無難です。深夜に気づいた場合は、翌朝に送るか予約送信を使うと落ち着いた印象になります。

ただし回答期限が迫っているなら、時間帯より返すことを優先してかまいません。その場合は「夜分に失礼いたします」と一言添えれば十分です。

返信が1日以上遅れても、それだけで話が壊れることは通常ありません。気づいた時点でお詫びを添えて返せば大丈夫です。最も避けたいのは、返信しないまま期限を過ぎてしまう状態です。

よくある質問

Q内定メールに返信するとき、件名は変えたほうがいいですか?
A

変えずに「Re:」のまま返信するのが基本です。担当者が過去のやりとりを同じスレッドで追えるうえ、何の件かも一目で伝わります。件名を新しく作り直すと、別件と誤解される可能性があります。

Qまだ承諾するか決めていなくても返信すべきですか?
A

返信方法の指定がなければ、お礼と「期限までに回答します」の2点を当日〜24時間以内を目安に返しておくのが無難です。受領を伝える返信が失礼になることはまずありません。「承諾する場合のみご連絡ください」と指定がある場合は、その指定に従ってください。

Q内定メールへの返信が1日以上遅れてしまいました。印象は悪いですか?
A

気づいた時点でお詫びを一言添えて返信すれば、通常は問題になりません。「ご連絡が遅くなり申し訳ございません」と書き添えるだけで十分です。最も避けたいのは、返信しないまま回答期限を過ぎてしまう状態です。

Q内定辞退をメールで伝えるのは失礼ですか?
A

企業がメールで内定を連絡してきたのであれば、メールで辞退を伝えて問題ありません。ただし電話や書面での回答を指定されている場合は、その方法に従います。すでに承諾したあとの辞退は、電話で伝えてからメールを送ると丁寧です。

Q内定を保留すると不利になりますか?
A

理由と回答期限を自分から示して相談すれば、それだけで評価を下げる企業は多くないというのが筆者の経験則です。避けたいのは、連絡をしないまま期限を延ばす無期限の保留です。返答日を明記して伝えましょう。

返信を書く前に、内定メールで確認すべき3つのこと

内定メール返信前に確認すべき回答期限・返信方法・労働条件の3点を並べた図

書き出す前に、届いたメールをもう一度読み返してください。確認するのは「回答期限」「返信方法の指定」「労働条件の書面」の3点です。ここを読み飛ばすと、丁寧な文章を書いても的外れな返信になります。

回答期限と返信方法の指定を最優先する

内定通知のメールには、承諾の回答期限が書かれていることが多くあります。「〇月〇日までにご回答ください」という一文が、あなたのスケジュールの起点になります。まずはこの日付をカレンダーに入れてください。

次に、返信方法の指定があるかを確認します。「承諾される場合のみご返信ください」「専用フォームからご回答ください」「一度お電話ください」といった指定は珍しくありません。指定がある場合は、一般的なメールマナーよりも企業の指定が優先です。

返信方法の指定がまったくない場合は、受領のお礼と検討中である旨を返すのが無難です。「まだ承諾を決めていないのに返信していいのか」と迷う人は多いのですが、受け取った事実を伝える返信が失礼になることはまずありません。文面は後述の「ひとまずお礼だけ返す場合の返信例文」を使ってください。

労働条件を確認してから承諾を判断する

3つ目は書面の確認です。内定通知書や労働条件通知書がいつ、どの形で届くのかを見ておきます。給与、勤務地、職種、勤務時間、試用期間の有無などは、承諾の前に把握しておきたい項目です。

メールに添付ファイルがあれば、返信の前に必ず開いて目を通してください。まだ届いていない場合は、「入社条件について書面をいただくことは可能でしょうか」と返信内で尋ねてかまいません。条件の確認は、就職活動として自然な行為です。

ベンチャーやスタートアップでは、内定連絡と同時にオファー面談(条件のすり合わせの場)を設定されることもあります。疑問をまとめて質問できる場なので、返信のときに自分の空いている日程を2〜3候補添えると話が早く進みます。

【ケース別・例文つき】内定メールへの返信4パターン

保留の返信で回答期限を自分から示す例と、期限を示さない例を比べた図
承諾・保留・辞退・お礼のみの4パターン別に返信文に入れる要素をまとめた図

ここからは、そのまま使える例文を4パターン紹介します。いずれも「内定連絡のメールに返す最初の1通」を想定した長さです。

会社名・担当者名・大学名はすべて架空の表記にしています。自分の情報に置き換えて使ってください。

承諾する場合の返信例文

承諾する場合は、「お礼」「承諾する意思」「入社への意欲」「今後の手続きの確認」の4要素を入れます。最も大切なのは、承諾すると分かる一文をはっきり書くことです。「前向きに考えております」だけでは承諾と伝わりません。

件名:Re:【内定のご連絡】〇〇株式会社

〇〇株式会社

人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

謹んで内定をお受けいたします。選考の過程で伺ったお話を通じて、〇〇様をはじめ社員の皆様と働きたいという気持ちが強くなりました。入社までに準備しておくべきことがあれば、ご指示いただけますと幸いです。

今後の手続きにつきまして、書類の提出方法や日程をお知らせいただけますでしょうか。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(署名)

保留する場合の返信例文(期限を自分から示す)

保留したいときのポイントは、自分から回答期限を示すことです。「検討させてください」だけだと、担当者はいつまで待てばよいか判断できません。「〇月〇日までにご返答します」と書くだけで、印象はまったく変わります。

理由は正直に書いてかまいません。他社の選考結果を待って比較したい、というのは就職活動では自然な事情です。無理に別の理由を作る必要はありません。言い方をやわらげたいときは、クッション言葉の一覧で紹介している前置きの表現が使えます。

件名:Re:【内定のご連絡】〇〇株式会社

〇〇株式会社

人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

大変ありがたいお話をいただいた一方で、勝手を申し上げ恐縮ですが、他社の選考結果を待ったうえで比較検討させていただきたく存じます。〇月〇日までには必ずご返答いたしますので、お時間をいただけますでしょうか。

ご期待に沿えず心苦しいのですが、納得のうえで入社を決めたいと考えております。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

(署名)

辞退する場合の返信例文(初動)

辞退する場合は、「お礼」「辞退の意思」「お詫び」の3要素で足ります。理由を詳しく書く必要はありません。「慎重に検討した結果」という表現で十分に伝わります。

すでに承諾の連絡をしたあとの辞退や、企業から電話での回答を求められている場合は、メールより電話を優先します。電話での伝え方の詳細は別記事で扱います。

件名:Re:【内定のご連絡】〇〇株式会社

〇〇株式会社

人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

大変恐縮ではございますが、慎重に検討を重ねた結果、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなご返答となり誠に申し訳ございません。

選考を通じて〇〇様よりいただいたお言葉は、今後の糧といたします。末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

(署名)

ひとまずお礼だけ返す場合の返信例文

4つ目が、最も使いやすい「受領のお礼だけ先に返す」パターンです。承諾も辞退も決めていない段階で、まず連絡を受け取ったことを伝えます。

入れる要素は「お礼」と「期限までに回答する旨」の2つだけです。期限が明記されていないときは、自分から目安の日付を書き添えると親切です。

件名:Re:【内定のご連絡】〇〇株式会社

〇〇株式会社

人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。まずは取り急ぎ、内定のご通知を確かに拝受いたしましたことをご報告申し上げます。

入社の意思につきましては、お示しいただいた〇月〇日の期限までに改めてご連絡いたします。その際、労働条件について質問をさせていただく場合がございますので、あらかじめご了承いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

(署名)

全ケース共通の返信マナー|新卒が落としがちなポイント

ここでは、内定連絡への返信で特に効くマナーだけを挙げます。メールの書き方全般の基礎は別記事で扱う予定です。

件名・引用・送信元アドレスの3点セット

まず件名です。「Re:」を消さず、企業が付けた件名のまま返信します。担当者は多くの学生とやりとりしているため、件名がそろっているほうがスレッドで追いやすくなります。

次に引用部分です。返信時に自動で挿入される元のメール本文は、消さずに残してください。過去の経緯がその1通で分かる状態になります。

3つ目が送信元アドレスです。大学のアドレスか、就職活動用に作ったシンプルなアドレスを使います。趣味のニックネームが入ったアドレスは避けたほうが無難です。署名は毎回付けます。

そのほか、絵文字や「!」、話し言葉は使いません。「了解しました」ではなく「承知いたしました」を使う、といった細部が気になる人は、御社と貴社の使い分けとビジネスマナーの言葉遣いを確認しておくと安心です。

電話で連絡が来たときはどうする?

連絡手段は、企業が使った手段に合わせるのが原則です。電話で内定を伝えられたなら電話で、メールならメールで返します。

新卒の就職活動で起こりがちなのが、授業やゼミの最中に着信がある場面です。出られなかった場合は、できるだけ早く折り返します。当日中の折り返しが目安です。

すぐに折り返せない時間帯であれば、「ただいま授業中のため、〇時以降に改めてご連絡いたします」とメールを1通入れておくと丁寧です。留守番電話にメッセージが残っていれば、内容を聞いてから折り返しましょう。

なお、承諾を電話で伝えるときの話し方や流れは、本記事では扱いません。別記事で詳しく解説する予定です。

保留・辞退はできる?内定の法的な位置づけを知っておく

「内定を保留したら怒られるのでは」「辞退は法律的に問題ないのか」という不安は、制度を知ると軽くなります。ここは公的な情報だけを根拠に整理します。

「内定」と「内々定」で法的な扱いが変わる

厚生労働省の解説によれば、採用内定は「始期付解約権留保付労働契約」が成立したと判断される傾向があり、企業側からの内定取消は解雇に準じて扱われるとされています。一方で内々定は、労働契約の成立とまでは認められないことが多いと説明されています(厚生労働省「労働条件Q&A 採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」、2026年9月20日閲覧)。

では、いま手元に届いた連絡は内定と内々定のどちらでしょうか。政府の要請では、広報活動は3月1日以降、選考活動は6月1日以降、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降とされています(内閣官房「就職・採用活動に関する要請」、2026年9月20日閲覧)。そのため10月1日より前に届く「内定」の連絡は、実質的に内々定であることが多いと整理できます。ただし、呼称にかかわらず、法的な扱いは名称ではなく実態で判断されます。

この要請は企業への要請であり、法的な義務ではありません。また、要請は卒業・修了年度ごとに更新されるため、自分の学年に対応する最新版を確認してください。実際の運用は企業によって差があります。届いたメールの表現が「内定」か「内々定」かも含めて、文面を確認しておくとよいでしょう。

保留・辞退は可能。ただし伝え方が大事

前述の厚生労働省の解説では、学生には職業選択の自由があり、内々定の辞退は可能とされています。一方、労働契約が成立したと判断される段階(内定後)の辞退の扱いは個別の状況によって異なるため、この記事では断定しません。

いずれの段階でも大切なのは誠実な対応です。連絡を絶つ、期限を無断で超える、他社に決めたのに報告しないといった対応は避けてください。

大切なのは「できるかどうか」ではなく「どう伝えるか」です。期限を自分から示す、決まり次第すぐ報告する。この2つを守れば、保留も辞退も通常のやりとりの範囲に収まります。

内定メールへの返信、企業はここを見ている

返信の文面をどこまで作り込むべきか、迷う人は多いと思います。結論として、文面の巧拙で印象や評価が大きく変わることは、筆者の経験ではほとんどありません。

軽微な誤字や敬語の言い回し、テンプレートに沿った文章であることを理由に内定の話が覆るケースは、筆者の経験則ではまれです。ただし企業により対応は異なるため、基本のマナーを押さえたうえでの話として読んでください。むしろ避けたいのは、返信をしないまま期限を過ぎてしまう状態です。無反応は、判断材料がないという意味で担当者を最も困らせます。

次に大切なのが誠実さです。きれいな理由を作るより、本当の状況を伝えるほうが結果的にうまくいきます。保留したいなら「他社の選考結果を待って比較検討したい」とそのまま書いて問題ありません。取り繕った理由は、後日の連絡と食い違って自分を苦しめます。

3つ目に、悩んでいる段階や辞退を検討している段階でも、結論だけを最後に伝えるのではなく、途中経過をこまめに共有することをおすすめします。「今週末に他社の最終面接があり、結果が出次第ご連絡します」という一報があるだけで、担当者は状況を把握できます。沈黙の期間が長いほど、相手は不安になります。

筆者の経験では、面接で身だしなみ・言葉遣い・姿勢が重視され、面接室の外ですれ違った社員への挨拶まで見られていることがあります。それと同じように、メールのやりとりも「選考の場の外」での振る舞いとして目に入ります。凝った文章を書く必要はありませんが、雑に扱わないことが信頼につながります。

志望度の高さも、文面の熱量より行動で伝わります。返信の速さ、質問の具体性、日程調整のスムーズさ。この3つがそろっていれば、言葉を盛らなくても十分に伝わります。

こんなときどうする?返信にまつわる細かい疑問

ここでは、内定メールの返信でつまずきやすい細かい疑問をまとめます。

「返信の返信」はお礼1往復で締める

あなたの返信に対して、企業から「承知しました」といった返信が届くことがあります。用件がそこで完結していれば、さらに返す必要はありません。

質問への回答をもらった場合は、お礼を1往復だけ返して締めるときれいです。「ご確認いただきありがとうございます。当日はよろしくお願いいたします」程度の短文で十分です。何往復も続けると、かえって担当者の手間が増えます。

企業から返信がないときの問い合わせ方

承諾メールを送ったのに反応がない場合は、2〜3営業日ほど待ってから問い合わせるのが目安です。これは筆者の経験則による目安で、繁忙期は返信が遅れることもあります。

問い合わせるときは件名を変えず、元のメールを引用したまま返信します。「〇月〇日にお送りしたメールにつきまして、無事に届いておりますでしょうか」と確認する形にすると、催促の印象になりません。

回答期限までに決めきれそうにない場合は、期限を過ぎる前に相談のメールを送ってください。無断で超過するより、事前の一報のほうが印象を損ねにくくなります。

なお、不合格の通知(いわゆるお祈りメール)への返信は原則として不要です。返すかどうか迷う場合は、お祈りメールへの対応の記事を参考にしてください。

まとめ|まずはお礼と受け取った報告を今日中に送ろう

内定メールへの返信で覚えることは多くありません。件名はRe:のまま、宛名、お礼、意思表示、締め、署名。この6パーツをそろえれば、どのケースでも形になります。

入社するかどうかを今日中に決める必要はありません。決めきれないなら、お礼と「期限までに回答します」の2点だけを先に送っておけば十分です。そのうえで、労働条件を確認し、他社の選考と比べて判断してください。

保留するときは自分から回答日を示す。辞退するときは早めに伝える。この2つを守れば、やりとりは丁寧に進みます。承諾メールや辞退の詳しいマナー、電話での伝え方は別記事で扱います。

承諾後の流れが気になる人は、内定式では何をするのかを解説した記事で入社までのイメージをつかんでおきましょう。